人間ドック・各種健康診断について
Q)胃透視検査でバリウムを飲むのが苦手です。胃の検査を内視鏡に変更できますか?
A)原則として予約時にお申し込みいただければ、どちらの検査でも対応します。なお、企業健診の場合、会社によっては内視鏡への変更が認められていない場合がありますので、ご注意ください。
Q)健診・人間ドックの結果報告書が届くまでの期間はどれくらいですか?
A)結果の発送まで、概ね10日から2週間ほどかかります。入社時健診は翌日に、また簡単な健康診断(血液検査のないもの)は当日結果をお渡しできます。ページの先頭へ
Q)人間ドック受診日に、大腸内視鏡検査を受けることはできますか?
A)事前に予約をいただくことで、検査は行えます。検査当日、人間ドックの諸検査を終えてから大腸内視鏡検査の前処置を始めますので、検査開始が午後になる場合があります。
また大腸検査を同日に行う場合、胃透視検査で飲むバリウムが大腸検査の妨げになるため、胃の検査も内視鏡で行います。ページの先頭へ
内視鏡検査について
Q)検査は苦しいですか?
A)上部消化管内視鏡検査(胃・食道・十二指腸)の場合
経鼻(鼻からの)内視鏡を用いて検査を行います。内視鏡先端径が5mm程と細く、内視鏡は鼻の中を通って食道に挿入されます。よって舌に触れることがないため反射が起こらず、楽に検査を受けられます。
ある統計では、従来の経口(口からの)内視鏡にくらべ、辛さは1/10程度と言われています。実際に検査を行っていても、大変楽な検査だとの感想が殆どです。
使用する内視鏡(オリンパスGIF TYPE XP290N、GIF TYPE XP260NS)は、従来の経鼻内視鏡とくらべて画質、明るさともに向上し、スクリーニング検査を行うのに充分な性能を持っています。
検査中、受診者には小さなモニターを観ていただきながら説明を行います。
A)下部消化管内視鏡検査(大腸内視鏡検査)の場合
この検査で起こる痛みや圧迫感は、医師の技術によって大きく違います。挿入の際、特に肛門から30cm前後のS状結腸までの挿入で、内視鏡が波型やSの字にたわむ、あるいはループを描いた状態になると痛みや圧迫感が起こります。また挿入時に視野を保とうとして空気を入れると、大腸が引き伸ばされて挿入が困難になるうえ、検査中から検査後しばらくの間お腹が張って辛くなる原因となります。
言いかえると、挿入時に空気を入れず、腸管をたぐり寄せながら、内視鏡を直線的に挿入する技術に習熟していれば、殆どのケースで痛みや圧迫感は抑えられ、楽な検査を行えます。
大原内科クリニックでは、殆どの受診者に「楽な検査だった」、あるいは「眠って検査を受ける必要は全くないと思った」という感想をいただいています。
しかし上記のような技術を用いて挿入しても、2%程度の受診者で少量の鎮静剤使用を必要とする痛みや圧迫感を伴うことがあります。鎮静剤を使用する際の安全管理は後述のQ&Aをご参照下さい。
結論として、どのようなケースでも必ず楽な検査ができる、ということはありえないと考えます。現在の内視鏡医療において、すべての受診者に対して鎮静剤を使わずに無痛の検査が可能である、というこはありません。しかしそれを限りなく100%に近づけるため、更なる技術の向上に努めます。
Q)大腸ポリープがあった場合、入院せずにその場で取リ除けますか?
A)検査時に見つかった大腸ポリープは、可能な限りその場で切除しています。ただし、内視鏡で切除が可能なポリープでも大きさが2cmを超えるもの、ポリープの成分が粘膜の下(粘膜下層)深くまで入り込んでいると考えられるものは、外来での切除はできません。
外来で切除した場合、切除日から10日間ほど、食事、飲酒、安静や旅行等についての注意事項があります。
大原内科クリニックでは、以下のような方法でポリープ切除を行っています。
*コールドポリペクトミー:1cm未満の小さなポリープを専用の輪状の細いワイヤーで絞る(コールドスネア)、または大きな鉗子でポリープ全部をつまんで(コールドフォーセプス)、高周波通電を用いずにそのまま切り取ります。この方法はやけどをさせず、ポリープを含めた粘膜だけを切り取るため、粘膜の下にある血管から出血する危険性が殆どありません。
*ポリペクトミー:茎がある(キノコ状)やや大きなポリープに対し、茎の部分を高周波スネアで絞り、高周波通電によって焼き切ります。茎が太いポリープは、切除後の出血を回避するため、予め留置スネア(ナイロン製)で仮絞めして血流を止めた後、高周波スネアで焼き切ります。
*粘膜切除(EMR):茎のない平坦から半球の形をしたポリープで比較的大きなもの、小さな早期癌が疑われるポリープは、粘膜の下にブドウ糖液やヒアルロン酸ナトリウム液(ムコアップ®)などを注射して盛り上げ、ポリープ周囲の正常な粘膜を含めて高周波スネアで焼き切ります。高周波スネアで一度に取りきれない大きさのものは、分割して切除(EPMR)することもありますが、ポリープの一部ないし全部に癌の存在が疑われる場合は一括切除するために、数日入院のもと内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)による切除が必要です。この場合は専門施設へご紹介します。
大腸の粘膜には知覚神経がないため、これら全ての切除法に伴う痛みはありません。ページの先頭へ
Q)鼻からの内視鏡は楽な検査と聞きますが、鼻の中が狭くなっていても大丈夫ですか?
A)検査は前処置として鼻の中に液体の表面麻酔薬を注入し、更に鼻の中の血管を収縮させる点鼻薬を用いて鼻腔を広げた後に行います。この前処置で内視鏡はスムーズに鼻腔を通過しますが、約5%の頻度で鼻腔が十分に広がらないことがあります。
その場合は追加処置として、内視鏡とほぼ同じ径の柔らかいチューブに表面麻酔薬を塗布したものを鼻腔に挿入して数分間留置することによって、殆どの場合鼻からの検査が可能になります。
追加処置を行っても挿入が困難な場合は口からの内視鏡検査に変更しますが、新たな前処置は不要です。
Q)麻酔を使って眠った状態で検査を受けられますか?
A)よく「麻酔を使って下さい」と言われますが、実際に使用しているのは麻酔薬ではなく、手術時などに麻酔前投薬として使われる鎮静剤です。当院では鎮静剤を使わない検査を勧めます。副作用によるショックその他の危険性を排除できないと考えるからです。
まず、鎮静剤を使わずに検査を受けてみてください。楽な検査で終われば、鎮静剤などによる不要なリスクを負わすに済みます。また痛みを伴うかどうかは、検査を始めてからS状結腸までの挿入で判断できますので、痛みが起こる、あるいは起こるだろうと考えられるときに、その時点で鎮静剤を投与することもできます。
鎮静剤を使わなければ、検査中にモニターをご覧いただきながら説明できること、またポリープ切除など検査後に30分程度の安静を必要とするような処置がなかった場合は、検査後速やかに帰宅できる、などの利点があります。
以上のことを踏まえて、受診者のご希望により、少量の鎮静剤を使って内視鏡検査を行う場合は、サチュレーションモニター(非侵襲性動脈血酸素飽和度測定)と自動血圧測定を行い、呼吸循環を管理しながら安全に行います。検査後は鎮静剤の効果がなくなるまで、サチュレーションモニターを行いながら、1~2時間ほどベッドでの安静が必要です。
Q)内視鏡を通じて、ウイルス肝炎(B型、C型)その他のウイルスや細菌に感染することはありませんか?
A)ありません。内視鏡の洗浄消毒については、日本消化器内視鏡技師会のガイドラインがありますが、当院では更に厳密な内視鏡の洗浄消毒を行っています。内視鏡検査を通じてウイルス、細菌が感染することはありませんので、安心して検査を受けてください。当院ではオリンパス製内視鏡洗浄消毒装置(OER-4)を使用しています。
Q)検査時間はどれくらいですか?
A)上部消化管内視鏡検査(胃・食道・十二指腸)の場合
検査前処置に約10分かかります。検査自体は詳しい観察と、病変があった場合の組織検査などを含めて、10分程度です。
下部消化管内視鏡検査(大腸内視鏡検査)の場合
検査自体は、盲腸までの観察とポリープ切除などの治療あるいは組織採取を含めて、概ね15-30分です。
検査当日朝からゴライテリと呼ばれる、腸内を洗浄する溶液1000mlと冷水(または冷たい麦茶)500mlを飲んでいただきます。詳しい検査を行うためには、腸管を可能な限りきれいにする必要があるため、当院スタッフの指示を守っていただきながら、処置を進めます。
検査開始時間は個人差がありますが、速い受診者は処置開始から2時間前後で検査可能になります。食物残渣が多く残っていて、なかなか前処置が進まない受診者の場合、検査は午後の診療時間になる場合があります。
そのため検査は来院の順ではなく、検査が可能な状態になった受診者から順に行います。
大腸検査をご希望の場合、上記を踏まえ、午後に予定を入れずにご来院ください。
一般内科診療について
Q)診察は予約が必要ですか?
A)当院の保険診療は予約制ではありませんので、不要です。
健診・人間ドックは予約が必要です。内視鏡検査(胃、大腸)と腹部超音波検査は原則として予約制ですが、必要に応じて(症状、緊急性など)予約なしで検査を行います。その際は当日朝からの絶飲食が必要です。
Q)待ち時間はどれくらいですか?
A)診察は原則として来院順に行いますが、痛みなどの症状が強い受診者は、優先して診察いたします。
午前11時頃から午後1時頃までは大腸内視鏡検査のため、待ち時間が長くなることがあります。
Q)保険証を持参し忘れましたが、どうすれば良いでしょう?
A)保険証をお忘れの受診者で、当院を初めて受診された時には、医療費を一旦全額お預かりします。後日、定められた期限内に保険証を持参していただくことで、保険診療自己負担金との差額を返金します。
Q)忙しくて待つ時間がありません。お薬だけ処方してもらうことはできますか?
A)医師との面会や診察を伴わない処方は法律で禁じられています。よって医師に会うことなく、お薬だけ処方することはできません。時間に余裕をもってご来院ください。午後の診療時間は、比較的待ち時間は短いようです。ページの先頭へ
Q)高血圧、糖尿病や高脂血症などのお薬は、一度始めると一生やめられないと聞きますが、本当ですか?
A)本当ではありません。高血圧、糖尿病、高コレステロール血症などの生活習慣病でお薬を処方するのは、現状のままでは、将来さまざまな合併症が起こり高額な医療費が必要になる、あるいは合併症によって生活の質が低下する恐れがあるからです。また何よりこれらの病気が原因で、将来生命を落とすことにならないようにしなければなりません。
各疾患には、それぞれの専門学会、研究会などで定められた治療目標が数値で定められています。まずは現在の危険な状態を回避するために、薬の服用が必要です。しかし治療は薬だけではありません。食事、運動療法によって、数値が改善すれば、お薬の量を減らす、あるいはやめることも可能です。また高血圧の一部では環境の変化やストレスの軽減などによっても薬が不要になることがあります。
以上のことより、内服治療を開始することに対して、身構える必要はありません。
その他
Q)駐車場はありますか?
A)当ビルの地下3階に有料駐車場があります。当院では無料駐車券などの発行は行っていません。